AAFCOの基準をクリアしたドッグフードを選ぶ

ドッグフードのパッケージに、「AAFCO基準クリア」などと標記されたものを見かけたことはありますか?AAFCOとはどのような機関なのか、そしてAAFCOの基準をクリアしたドッグフードとは、いったいどのような品質のものなのでしょうか。

1.AAFCOとは?

AAFCO(The Association of American Feed Control Officials/米国飼料検査官協会)とは、ペットフードを規制する米国の州政府および連邦政府関係者のグループです。
ペットフードの栄養基準や、ラベル表示などに関するガイドラインを設定しています。
ここで重要なのは、AAFCOが定めるペットフードの安全に関する基準は、あくまでもドッグフードに必要な栄養素と成分を満たすための、基本的な指針に過ぎないということです。
また、この基本的な基準をクリアしているからといって、AAFCOが特定のドッグフードに許可を下ろすことはありません。
そのため、「AAFCO承認」「AAFCO合格」などの標記は、協会の認定のもとに記されているわけではないのです。
非常に紛らわしいですが、AAFCOの許可を得たわけではなく、自称の意味で、「AAFCO基準クリア」という標記が一般的には受け入れられています。
さて、日本では、平成21年にペットフード安全法が公布されました。
この法律は、AAFCOの基準を参考に作られています。
そのため、日本で販売されているドッグフードは、すべてAAFCOの品質基準値をクリアすることを目標に製造されています。
「AAFCO基準クリア」という標記を時々見かけるのは、そのためです。
しかしながら、AAFCOの基準をクリアすることは、言い換えれば、愛犬の健康を考えたドッグフードであれば、最低限守るべきルールであり、非常に基本的なことなのです。

2.AAFCOが定める基準とは?

AAFCOは、アメリカで1906年に設立されました。
アメリカやドイツ、カナダなどをはじめとする諸外国は、ペットフードの安全性についての意識が非常に高く、ペットフード先進国とも呼ばれています。
そして、AAFCOに代表される団体が政府やメーカーと連携することで、動物やペットの福祉と健康を向上させるために、積極的なリーダーシップを発揮しています。
一方、日本において、ペットフードや飼料の安全性について考える気運が高まり、ペットフード安全法が交付されたのは、2009年のことです。
日本は、ペットフードの品質やペットの健康について、まだまだ発展途上の段階なのですね。
そして、この時、法律のモデルとなったのが、AAFCOが提言するペットフードの安全性と実用性に関する基準です。

2-1.栄養バランスの基準値

AAFCOは、ドッグフードの基本的な栄養バランスのモデルとして、まず以下の4種類の成分について、基準値を定めています。
この基準値は、定期的に改変される場合があるので、メーカーは常に最新の基準値を確認する必要があります。

  • ・粗タンパク質の最小パーセンテージ
  • ・粗脂肪の最小パーセンテージ
  • ・粗繊維の最大パーセンテージ
  • ・水分の最大パーセンテージ

これらの表示は、日本で販売されているどのドッグフードにも記されています。
ご自宅のワンちゃんのドッグフードが、成分基準値について、どのような構成になっているのか確認してみましょう。
特に、タンパク質と脂質は、犬の丈夫な筋肉や健康的な被毛を作り、免疫力を維持するために最も重要な成分です。
また、タンパク質については、肉や魚を原材料とした動物性タンパク質が多く含まれているものが理想的です。
愛犬が毎日健康に成長するために、AAFCOの基準をクリアしていることはもちろん、原材料の品質についてもしっかりと確認することが大切です。

2-2.原材料の名称と成分に関する定義

原材料について、AAFCOが定める名称と成分定義があります。
たとえば、以下のような内容です。

  • ・肉:主に動物の筋肉組織であるが、食肉用に見られるものと同様の脂肪、軟骨及び正常な筋肉に付随する他の組織を含むことができる。
    ただし骨が含まれない。
  • ・肉副産物:屠殺された動物の筋肉組織以外の大部分。
    内臓や骨を含むが、毛、角、歯、蹄は含まれていない。

「肉」「肉副産物」「家禽副産物」「ミートミール」「肉骨粉」など、原材料に表記する名称は決まっており、メーカーが独自の呼称を表記することはできません。
また、ドッグフードの原材料として、副産物や添加物を使用する際、それらの成分定義と限界量についても規格が定められています。
AAFCOの成分規格は、ドッグフードに含まれる成分が、安全性と実用性の面で基準を満たし、一般的に安全だと認められる品質を保つための物差しだといえるでしょう。

2-3.ドッグフードの基本的なガイドライン

飼い主が愛犬にとって適正なドッグフードを選ぶことができるよう、AAFCOは、ラベル表示についても、以下のような基本的なガイドラインを提示しています。

  • ・愛犬のライフステージと体質に合った栄養バランスを摂取すること
  • ・適切な給餌方法のもとに与えること
  • ・おやつやサプリメントの与えすぎに注意すること

愛犬にドッグフードを与える目的は、犬にとって重要な栄養素をバランスよく摂取し、健康で成長し続けることです。
ドッグフード以外に、人間用の食事やおやつを与え過ぎると、愛犬の栄養バランスと健康を崩しかねません。
AAFCOは、愛犬の健康を守るためには、飼い主が愛犬にとって適切なドッグフードを選ぶことが必要だということも訴えているのです。

3.AAFCOの基準をクリアしていれば安心か?

AAFCOは、協会とメンバーシップを結ぶ団体やメーカー、そして政府と連携することで、ペットフードに関する法律や規制の公平性を推進しています。
愛犬の成長のために必要な基準値、いわば当たり前の品質が社会に浸透していけば、ドッグフードの安全性も高まります。
それでは、AAFCOの基準さえクリアしていれば、どのドッグフードを選んでも安心できるのでしょうか?
残念ながら、そうではありません。
愛犬の健康を守るために、飼い主はどのようなドッグフードを選ぶべきなのでしょうか。

3-1.原材料の品質を見極める

AAFCOの基準は、ドッグフードに含まれる栄養素と成分の使用について、適正な数値と範囲を守るために参考とすべき指標です。
しかし、言い換えれば、ドッグフードに求められる必要最低限の品質を示す数字に過ぎません。
たとえば、以下のような原材料を含んだドッグフードがあったとします。
そして、この製品は非常に安い価格で販売されていますが、AAFCOの基準をクリアしていると標記されていたとします。
「小麦、トウモロコシ、グルテンミール、ミートミール、家禽エキス、ジャガイモ、大豆、保存料、ビタミン類、ミネラル類、着色料、香料、BHT・・・」 「タンパク質20.0%以上、脂質8.0%以上、粗繊維4.0%以下・・・」 このような内容のドッグフードは、たとえAAFCOの基準値をクリアしていたとしても、以下のような点に注意が必要です。

  • ・穀物が中心のために、愛犬が消化不良やアレルギー症状を起こしやすくなる可能性がある。
  • ・タンパク質含有量の基準値は満たしているが、その値は小麦などの植物性タンパク質によるものである。
    そのため、犬の体作りにとって、本来必要な動物性タンパク質を補いきれていない。
  • ・「ミートミール」「家禽エキス」など、副産物の正体や品質が曖昧である。
  • ・主原材料で補いきれない栄養素は、人工添加物により調整されている。
  • ・香料や合成酸化防止剤が使用されていて、愛犬の健康にとって好ましくない。

このようなドッグフードを愛犬に食べさせたいと思えるでしょうか。
しかしながら、そのドッグフードは、ペットフード安全法に則り、AAFCOの基準を満たしたうえで製造されていれば、何の問題もなく国内で販売されています。
愛犬に食べさせているドッグフードの原材料を確認してみましょう。
小麦やトウモロコシなどの穀物類により、タンパク質の基準値が補われていませんか?そのほかの栄養素についても、副産物や人工添加物などの加工品により、数値だけ満たされている状態ではありませんか? 飼い主さんは、「AAFCO基準クリア」などと標記されていたとしても、それはドッグフードとして当たり前のことなのだという認識を持つことが必要です。
基準をクリアしていることは大前提として、そのドッグフードの中身に含まれている原材料と品質を確認することが大切なのです。

3-2.メーカーの信頼性を見極める

それではなぜ、愛犬の健康にとって望ましくないと考えられるような品質でも、AAFCOの基準をクリアできるのでしょうか。
それは、AAFCOの基準をクリアしていても、その基準値をどのような原材料で補い調整するかは、メーカー次第だからです。
愛犬家としては、ドッグフードは愛犬の健康を守るものであって、毎日の食事であるという考え方は当たり前のことかもしれません。
しかし、残念なことに、飼い主や愛犬の立場や気持ちに沿って、ドッグフードを製造しているメーカーばかりではないのも現状です。
動物やペットにも、守られるべき福祉と健康があり、家族の一員であるという認識は、まだ日本には浸透しきれていません。
所詮、犬や猫の食べ物という意識が根強いことも事実です。
AAFCOの基準は、愛犬が健康に成長し続けるために必要な栄養素の基準です。
愛犬に与えるドッグフードは、AAFCOの基準を活かして、いかに原材料や品質にこだわった内容のものなのか、飼い主自身が責任を持って選び見極める必要があるのです。

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