アレルゲンの含まれていないドッグフードを選ぶ

愛犬が食物アレルギーになるリスクを減らすためには、あらかじめ、アレルギーの原因になりやすい原材料をカットしたドッグフードを選ぶことが効果的です。
それでは、アレルギー対策に有効なドッグフードとは、どのようなものがあるのでしょうか。

1.食物アレルギーの症状

犬も人間と同じように、食物アレルギーを発症することがあります。
症状は犬それぞれですが、食物アレルギーによる主な症状として、以下の3点が多く見受けられます。

  • ・体を痒がる
  • ・顔や背中、腹部の周りなどが赤く腫れている
  • ・下痢・嘔吐

上記の2点は、アレルギー皮膚炎に代表される症状です。
犬の体調の変化は、皮膚や毛艶によく現れます。
アレルギー皮膚炎の特徴として、体を頻繁に痒がる仕草を見せたり、手足をしきりに舐めたり噛んだりする行動が続きます。
アレルギー皮膚炎の症状が酷くなると、患部が赤く腫れたり、フケや抜け毛の量が増えたり、さらには皮膚が化膿してしまう場合もあります。
また、食物アレルギーにより、胃や腸が炎症を起こして、下痢や嘔吐を引き起こす場合もあります。
しかし、犬の体質によって、アレルギーの症状も様々です。
このような主な症状のほかにも、鼻炎や目の炎症、外耳炎、発熱などが生じる場合もあります。
愛犬の体調に関して気になる様子があれば、まず獣医師に相談してみましょう。

2.食物アレルギーの原因

アレルギーは、特定のアレルゲンに対して、免疫が過剰反応することによって発症します。
2016年、ミュンヘンの臨床獣医医学センターを含む複数の調査団が、犬の食物アレルゲンについての研究結果を発表しました。
その報告によると、犬のアレルギー性皮膚炎の原因となる可能性が最も高い食物アレルゲンは、牛肉、乳製品、鶏肉、小麦であることが示唆されています。
どの食材も、多くのドッグフードの原材料として、幅広く使用されているものばかりですね。
特に、牛肉や鶏肉については、犬にとって最も必要な栄養素、タンパク質の源です。
しかしながら、犬の体質によっては、これらの食材が、タンパク質を原因としたアレルギーを引き起こす可能性もあります。
また、小麦などの穀物類も、炭水化物を原因としたアレルギーを発症しやすい食材のひとつです。
そこで、このようなアレルゲンとなり得る食材を、あらかじめ含んでいないドッグフードを与えることで、アレルギーを予防したり、改善したりすることができます。

3.食物アレルギーへの対策

3-1.新奇タンパク食、低アレルゲンドッグフード

牛肉や鶏肉といえば、犬にとって最も必要な栄養素であるタンパク質の源です。
それにも関わらず、愛犬が牛肉アレルギーだとしたら、牛肉以外の食材からタンパク質を補うことで、アレルギー反応の起きるリスクが減り、症状も改善される効果が期待できます。
ただし、牛肉や鶏肉などは、一般的なドッグフードの主要食材として幅広く使用されています。
そのため、これまでに何度か与えたことのある食材は、すでにアレルゲンとして体内に認識されている可能性があります。
そこで、ナマズやサケ、アヒルやカンガルーなど、これまでに与えたことのない食材でタンパク質を補うことが、アレルギー体質の愛犬にとっては効果的です。
このような食材を、新奇タンパク食と言います。
まずは、愛犬が何アレルギーなのかを特定し、その結果によって、愛犬の体質に合う食材を使用したドッグフードを選ぶことが大切です。
ところが、中にはアレルゲンとなるタンパク質を特定できないケースもあります。
そのような場合は、加水分解タンパク質やアミノ酸オリゴペプチドと呼ばれる、低アレルゲンドッグフードを与えます。
これらの成分は、タンパク質をアミノ酸レベルにまで小さく分解し、消化吸収をよくすることで、アレルゲン物質として体内に認識されるリスクを減らす効果が期待できます。
そのため、アレルゲンを特定できない体質や、どの食材のタンパク質も体に合わないという愛犬に、療養食として有効です。

3-2.グレインフリー、穀物不使用

炭水化物は、犬にとって消化率が最も低い栄養素です。
特に小麦は、グルテン※含有量が高いことが原因で、犬がアレルギーを起こしやすい食材です。
そのため、小麦やトウモロコシなど、原材料の中心が穀物のドッグフードを与えている場合は、グレインフリーのドッグフードに切り替えることをオススメします。
犬にとって、消化吸収のよい肉を中心としたドッグフードに切り替えることで、炭水化物アレルギーによる症状を予防・改善することが期待できます。

※グルテンとは…小麦に含まれるタンパク質です。
小麦を水で捏ねることで形成され、粘弾性があります。
また、米や他の穀物には含まれない成分であり、小麦特有のアレルギー症状に関与します。

3-3.人工添加物不使用

もうひとつ、愛犬が食物アレルギーになる可能性が高い成分があります。
それは、ドッグフードの品質を保ち、見た目をよくすることなどを目的として含まれている、人工添加物です。
ドッグフードの原材料表示を確認してみましょう。
酸化防止剤や着色料など、化学的合成品が多く含まれてはいませんか?これらの添加物は、本来は、犬の体にとって不要な成分です。
添加物が体内に蓄積されることで、それらを異物だと認識しアレルギー反応を起こすことが考えられます。
できれば、化学的合成品ではなく、ビタミンEやローズマリー抽出物など、天然成分由来の酸化防止剤が使用されているドッグフードを選ぶことをオススメします。
また、着色料や香料など、見た目をよくするために使用されている添加物は、アレルギーだけでなく、内臓疾患や発がん性の可能性にもなります。
ドッグフードに含まれる添加物は、あくまでも安全性を考慮した基準に則って使用されています。
しかしながら、アレルギーのリスクを減らし、愛犬にとって必要な栄養バランスを含むドッグフードを見極めるために、原材料をしっかり確認することが大切です。

4.愛犬の健康を維持するためにできること

このように、あらかじめアレルゲンに配慮したドッグフードを選ぶことが、食物アレルギーを予防するためには効果的です。
また、普段与えているドッグフードの原材料を見直し、あらためて愛犬の体に合ったドッグフードを選ぶことで、アレルギー症状の改善も期待できます。
最後に、アレルゲン対策のドッグフードに切り替える際の注意点と、愛犬の健康を維持するために大切なポイントを整理してみましょう。

4-1.愛犬の健康状態をよく観察する

愛犬の体質や、アレルギーの症状は様々です。
ドッグフードの食いつきはよいか、体を痒がっていないか、便の状態は健康的かなど、普段から愛犬の様子をよく観察しましょう。
マッサージやブラッシングなど、スキンシップを通して、皮膚や毛艶の状態を確かめることも大切です。
愛犬の特徴を普段からきちんと把握しておくことが、その後の適切な治療法につながります。
そして、ドッグフードは、体質に合った消化吸収のよいものを選び、人工添加物など体に不要な原材料は極力与えないようにしましょう。

4-2.人間の食べ物・おやつは控える

もし愛犬が、アレルギーを発症してしまったら、アレルギー対策用のドッグフード以外に、人間の食べ物やおやつは与えないようにしましょう。
アレルギー症状を改善するためには、普段の食事を見直し、体質に合う栄養バランスを維持することが大切です。
おやつなどを与えると、その栄養特性が十分に発揮されないだけでなく、不要にアレルゲンを摂取してしまう可能性があります。
家族など周りの人たちにも、そのことを伝えて共有しておくと安心ですね。
また、散歩中に拾い食いの癖がある場合は注意しましょう。
食中毒など衛生面においても危険ですし、たまたまアレルゲンを口にしてしまう可能性を避けることが必要です。

4-3.獣医師に相談する

愛犬の体調に異変を感じたら、必ず獣医師に相談しましょう。
アレルギー症状に対応したドッグフードは、店頭やインターネットから購入することもできます。
しかし、獣医師の適切な判断の下に、愛犬の体質に合ったドッグフードを選ぶことが大切です。
アレルギーを克服するためにも、愛犬の体調は改善されているか、ドッグフードは体質に合っているかについて、信頼のおける獣医師の診断を定期的に仰ぎましょう。

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