ペットフード公正取引協議会の基準をクリアしたドッグフードを選ぶ

日本には、ペットフードの製造や輸入、そして販売に関する安全性を確保するため、様々な団体が存在しています。
その中のひとつに、ペットフード公正取引協議会があります。
皆さんが愛犬に食べさせているドッグフードも、この協議会が関わっている可能性が大きいのですが、彼らはいったいどのような団体なのでしょうか。
そして、ペットフード公正取引協議会の基準をクリアしたドッグフードとは、どのようなものでしょうか。

1.ペットフード公正取引協議会とは?

ペットフード公正取引協議会は、景品表示法※に基づいて、ペットフードの表示と景品類の提供に関して規則を作る団体です。
協議会は、昭和49年10月に公正取引委員会の認定を受けて、 ペットフードの表示に関する事項を定めた「ペットフードの表示に関する公正競争規約」の運営を開始しました。
この規約は、事業者間の公正な競争を確保し、一般消費者の商品選択に役立てることを目的とし定められています。
愛犬用のドッグフードを選んでいて、原材料などの表示を必ず確認するという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
数あるドッグフードの中から、愛犬に合ったドッグフードを選ぶために、分かりやすい表示は消費者にとってとても助かりますよね。
ドッグフードの品質や性能について、適正な表示を通して消費者が理解しやすくなることで、結果的に愛犬にとって正しいドッグフードの選択につながります。

※景品表示法:商品やサービスの品質、内容、価格などについて、偽りの表示を行うことを厳しく規制するなど、消費者がより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守る法律。

2.ペットフードの表示に関する公正競争規約とは?

ペットフードの表示に関する公正競争規約とは、飼い主がドッグフードを選ぶために必要となる適切な情報の提供と、業界内の公正な競争の確保を目的としている自主基準です。
自主基準のため、法的拘束力はありません。
そのため、ドッグフードが規約に則った基準をクリアしているからといって、それを協議会が認定・承認することはありません。
また、ペットフード公正取引協議会の会員となることはメーカーの任意です。
しかし、飼い主にとって商品選択に役立つことから、日本で販売されているペットフードのうち、およそ9割が公正競争規約の表示ルールを採用しています。
この規約を採用しているメーカーの中には、協議会非会員のメーカーも含まれています。
「ペットフードの表示に関する公正競争規約」は、日本のペットフード業界にとって一般的なルールのひとつといえるのです。
規約により、基準が定められているのは、以下の9項目です。

  • (1) ペットフードの名称
  • (2) ペットフードの目的
  • (3) 内容量
  • (4) 給与方法
  • (5) 賞味期限
  • (6) 成分
  • (7) 原材料名
  • (8) 原産国名
  • (9) 事業者の氏名又は名称及び住所

どの項目も、愛犬のドッグフードを選ぶための重要なポイントですよね。
愛犬の健康のために必要な栄養成分は、人間のものとは異なります。
いくら美味しそうに食べてくれるからといっても、人間の食べ物が愛犬の健康にとって被害を与える可能性はゼロではありません。
栄養の偏りが、最終的に肥満やアレルギー、そのほか重大な内臓疾患に及ぶ場合もあります。
そのため、飼い主は、愛犬にとって理想的な栄養バランスと健康を保つために、ドッグフードの成分や目的などをよく確認して購入する必要があります。
ラベル表示を利用して、愛犬に合ったドッグフードを選ぶことで、愛犬の健康を守ることにつながるのです。

3.「ペットフードの目的」とは?

ペットフードの表示に関する公正競争規約により、ラベル表記が定められている9項目のうち、「ペットフードの目的」について、具体的に4種類の表記ルールがあります。

3-1.総合栄養食

総合栄養食は、愛犬にとって毎日の栄養と健康を保つためのドッグフードです。
人間の食べ物や、おやつを与えなくとも、水と総合栄養食だけで、愛犬にとって理想的な栄養をバランスよく摂取することができます。
また、愛犬のライフステージによって、必要な栄養バランスは変わります。
そのため、総合栄養食は、ライフステージ毎に、以下のように分類されています。

  • ・幼犬期/成長期またはグロース
  • ・成犬期/維持期またはメンテナンス
  • ・妊娠期・授乳期

また、全てをのライフステージに対応したドッグフードであることを示す表記として、「全成長段階」「オールステージ用」と記されている場合もあります。
ペットフードの表示に関する公正競争規約は、ペットフードの栄養基準について基準を制定しているわけではありません。
そのため、これらの表記に関しては、消費者団体、流通団体、有識者の意見・評価を必ず受け、その後に公正取引委員会が認定する仕組みになっています。
そして、総合栄養食の栄養基準は、AAFCO※の栄養基準や給与試験プロトコールが採用されています。
このような段階を経て、基準を満たした総合栄養食には、以下のような表記が記載されています。

  • ・「この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める分析試験の結果、総合栄養食の基準を満たすことが証明されています。」
  • ・「この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める給与試験の結果、総合栄養食であることが証明されています。」

ただし、これらの表記があったとしても、そのドッグフードが愛犬の体質や嗜好に合っているものなのか、飼い主自身が見極める必要があります。
ペットフードは、日本では食品としては認められていません。
あくまでも、動物が食べたとしても問題がないという認識のもとに製造されているのが、ドッグフードの基本的な品質なのです。
ドッグフードの品質に関する安全基準については、ペットフード安全法に規定があります。
しかしながら、規定に定められた栄養基準値は、あくまでも数値を示しているだけであり、その数値を満たすためにどのような原材料や成分で補うかは、メーカーに委ねられています。
つまり、多少品質の悪い原材料や人工添加物で仕上げられたドッグフードだったとしても、基準値を満たしていれば、総合栄養食として記載することは可能なのです。
飼い主として認識しておかなければならないのは、ドッグフードの栄養基準も、表示内容についても、愛犬の健康を守るための必要最低限のルールに過ぎないということです。
愛犬のドッグフードが、どのような原材料をもとに作られているのか、体質に合うものか、メーカーの信頼性は高いか、などについて見極めることが大切です。

※AAFCO(米国飼料検査官協会):ペットフードを規制する米国の州政府および連邦政府関係者のグループ。
ペットフードの栄養基準や、ラベル表示などに関するガイドラインを設定している。

3-2.療法食

アレルギー対策や体質改善のため、獣医師の指導のもとに与える獣医療用のドッグフードのことを示します。
対応している疾病名や健康状態が表示されています。
療法食は、店頭やインターネットでも購入することは可能です。
ただし、愛犬の体質や健康状態の変化によって、与えるべき療法食やその量は様々です。
そのため、必ず獣医師の指導のもとに与えることをオススメします。

3-3.間食

ジャーキーやガムなど、愛犬へのご褒美やおやつとして与えるドッグフードのことです。
間食のほかに、おやつやスナックと表示されることもあります。

3-4.その他の目的食

特定栄養素の調整、カロリー補給、あるいは嗜好増進などを目的としたドッグフードです。
「総合栄養食」でも「間食」でもないので、「その他の目的食」だけでは足りない一日の栄養素を補うために、合わせて与えなければならない食事の内容や量などが明記されています。
また、その他の目的食には、次のような表示の種類があります。

  • ・一般食:一般食は、主に缶詰やレトルトタイプのドッグフードに多く表示されています。
    主食として与えることを目的としたドッグフードですが、総合栄養食と比べると一日に必要な栄養成分に偏りがあります。
    そのため、毎日与え続けることは控えましょう。
    与える頻度を調整する、総合栄養食に少しずつトッピングするなど、与え方を工夫することをオススメします。
  • ・栄養補完食、カロリー補完食、副食、サプリメントなど:ビタミンやミネラル、カルシウムなど、一日の栄養成分を補完することが目的のドッグフードです。
    ふりかけやミルクが代表的です。

どのタイプの目的食も、与える目的や、配合されている栄養素についてよく確認し、適量を守って愛犬に与えることが大切です。

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