
人間では多く見られる病気なのですが
犬には比較的少ない心臓病です。
この病気は先天性になります。
この病気の特徴は左右の心房を隔てるための組織が、
お母さんのお腹の中で育っている時期や出生後に十分に発達することがなく、
孔が閉じないままになってしまっているという病気です。
大きな穴があいてしまっている場合には外科手術にて穴を塞ぎます。
ただし、心臓がうっ血してしまい心不全を発症してしまっている場合には
手術をするのが非常に危険とされていて、内服による治療が選ばれることも多くあります。
先天的な病気ですので予防することができない病気です。
早期発見・早期治療することが何よりも大切なこととなってきます。
小さな穴しか空いていない場合には症状が現れないため解りにくいのですが、
大きな穴があいている場合の症状としましては
口の中や舌、皮膚などが紫色になるチアノーゼの症状や肺水腫、咳、呼吸困難、
失神(意識がなくなっていく感じ)だったり、運動するとすぐに疲れてしまうといったような
心臓病の典型的な症状が現れます。
ほかの心臓病を併発してしまっている場合も多いです。
特に気をつけなければいけないのがフィラリアで、
空いている穴からフィラリア成虫が右心房から左心房へ移動してしまい、
動脈塞栓を引き起こしてしまうこともありますので、
フィラリア予防には心がけてください。
こちらの病気で自宅にて飼い主ができることは、
薬物療法、運動制限、食事療法となります。
薬物は症状を軽減させるための薬が処方されます。強心剤や利尿剤を処方されることが多いでしょう。
運動はほかの心臓病と同様で、なるべく避け、お散歩も控えましょう。
食事は 高血圧になりやすい塩分を控えた食事を心がけるようにしてください。
心臓病の子は運動不足になりがちですから、肥満を予防するためにカロリー計算をするように心がけてください。
自分で計算をするのはなかなか難しいですから心臓用のサポート食を利用することをお勧めします。
療法に使われるようなサポート食はその犬の持っている病気に対応するような成分で作られておりますので、
安心して与えてあげることができると思います。